【移転価格文書提出後の税務署の反応】
現在は、移転価格文書提出義務がスタートして間もないため、移転価格文書に基づく調査は超大手企業か、還付請求を行った会社から調査が行われている。
移転価格文書がなく指摘を受けた事例や、移転価格文書があっても指摘を受けた事例が見受けられる。
Ⅱ 移転価格文書で見るべきポイント
【現地法人責任者としてみるべきポイント】
(1)移転価格に関する調査では以下のような点が指摘されている。
・ロイヤリティー、商標、技術移転契約などの無形資産に対する対価の妥当性
(無形資産の範囲)
・有形資産取引の利益率
(適切な会社を選定しているか)FAR分析(Funciton, Asset, Risk)と整合性とれているか
・本来インドネシア国外の法人で負担すべき経費(株主のための活動費)かどうか
・その他、利益率の低い取引(口銭)や、赤字取引がないか、為替の変動影響がある場合、その妥当性。
Ⅲ 移転価格文書の更新方法
【移転価格文書更新の方法】
(1)フルアウトソース
ローカルファイルと、マスターファイルのインドネシア語訳
(マスターファイルがない場合作成)
(2)部分的に委託
データベースは購入し、ドラフト作成、レビューを依頼
(3)利益率、ロイヤリティーの売上に対する割合、金利などに関する比較企業や市場情報などのデータベースのみ購入し、あとは社内で作成
Ⅳ 最近の税制改正(新DGTフォーム、タックスホリデー)
【新DGTフォームポイント】
1 : 新様式
2 :更新のタイミング
3 : 海外税務署の手続き
4: 税務署への提出方法
【タックスホリデー】
2018年11月27日に首題大臣令が施工され、以前の2018年35号より緩和された(下線部が今回改正)。
l 減税期間(Tax allowance)期間
1,000億~5,000億ルピア未満 →5税務年度50%減税(新設) 期間間終了後も2税務年度は25%減税
l 条件
- パイオニア企業
- インドネシア法人
- 過去に減税措置拒否決定を受けていない新規投資
- 最低1,000億ルピアの投資
- 負債資本比率(4:1)遵守
l パイオニア企業→金属上流、自動車及び同部品、無機化学、有機化学、製薬原料、半導体・
その他コンピュータ―部品、通信機器部品、医療機器部品、ロボット工学部品、
データ加工等17→18産業(153→169業種)
l 申請期間→IU発行から1年以内
l 審査期間→完全で真正な申請書受領後5営業日以内
l 申請期間→大臣令施行後5年以内
中小企業向け税制優遇策は検討中で未公表